発売日 | 1988年8月26日 |
価格 | 6200円 |
メーカー | ビクター音楽産業 |
データー容量 | 2メガビット |
ジャンル | アクションロールプレイング |
イース:冒険の始まり – アドル・クリスティン、ファミコンの世界へ
さて、皆様、伝説の赤毛の冒険者、アドル・クリスティンをご存知でしょうか?彼は、ゲームの世界で有名な冒険者です。
今回取り上げるのは、その壮大な冒険記の始まり、ファミコン版『イース』。PC88版から大胆にアレンジを加えたこの作品は、まさに「違う意味で伝説的」な存在です。
ゲーム概要
ストーリー
好奇心と勇気に満ち溢れた若い冒険者アドルは、困難を求めて諸国を旅していた。そして、小さな港町プロマロックで呪われた国「エステリア」の奇妙な噂を耳にした。
「あの国が呪われた国と言われ始めたのは今から半年位前のことだった。エステリアは、巨大な穴を囲む断崖の山に、幾つかの坑道を持ち、銀や他の鉱物の産出地として名を知られ、このプロマロックとも貿易をしていた。しかし、半年程前から連絡がブッツリ切れ、また、エステリアに向かう船はみんな嵐に出会い、誰一人として生きて帰ってくるものはいなくなってしまった」
港町からかすかに望めるエステリアの島、その中央に奇怪に高くそびえる塔、彼の好奇心は異常なまでにかきたてられた。
心配し制止する町人たちを残してアドルは、エステリアを目指して船を出した。が、やはりというべきか突然嵐が襲って来、気が付いたときには、砂浜に打ち上げられていた。
ようやく体力の回復したアドルは、ここがあのエステリアであることに気がついた。と、突然奇妙な音がした。動物の鳴き声にしてはその音は余りにも気持ちが悪い、異常だ、と思う間もなく森の中からこれまで見たことのないものが彼を襲ってきた。
どう戦い、どう傷ついたのか判らないまま、アドルは目をさました。
ここはエステリア唯一の港町バルバドの病院じゃ。モンスターに襲われている君を見つけて何とか救いだしたのじゃ。危ない所だった。ところで、君は誰で、どうしてここに来たのだね」
白髪の老人に尋ねられ、アドルはこれまでの冒険や港町プロマロックの奇妙な噂などについて老人に話した。
やがて快方に向かった彼は、改めて老人に一体この国に何が起こったのか尋ねてみた。しかし、老人からはただ突然怪物達が現れ人間を襲うようになったのだ、そしてその謎は、判らないという回答を得ただけだった。
ついにアドルは、決心した。このエステリアを救うために、この謎を解くために、島奥深く冒険をしてみようと。とりあえず、北の町「ミネア」に行ってみよう。アドルは、バルバドの町人から贈られた服と食べ物、そして1000ゴールドをもってミネアに向かったのだった。
基本操作
基本操作は移動とアイテムの使用に限られ、会話、探索、戦闘すべてが移動を通じて行われます。攻撃は、特定のアクションボタンを使うのではなく、敵に対して体当たりすることで実行されます。この際、敵も同様に体当たりで反撃してくるため、直接ぶつかるだけではなく、「半キャラずらし」という技術を駆使して、敵の側面や背後から攻撃することが求められます。
回復メカニズムについては、フィールド上やダンジョンの特定のエリアで立ち止まることでHPが徐々に回復します。また、「HEAL RING」を装備することで、ダンジョン内でも同様の回復が可能になりますが、ボス戦中はこれらの方法では回復できません。「HEAL POTION」の使用によっては瞬時に全回復が可能ですが、これもボス戦では使用できないという制限があります。
プレイヤーはゲームの進行と共にレベルアップし、最大HP、攻撃力(STR)、防御力(DEF)が上昇します。経験値(EXP)を集めることでレベルが上がり、敵を倒したりイベントをクリアすることでEXPを獲得します。また、ゲーム内の通貨であるGOLDを集めることで、新しい装備を購入することが可能です。
冒険の始まり
赤毛の冒険者、アドル・クリスティン。その名を知らぬ者は少ないでしょう。『イース』は彼の数多の冒険の中でも、記念すべき始まりを描く作品です。しかし、このファミコン版は、原作であるPC88版から大幅に変更された点があり、受け止め方は一筋縄ではいかないようです。
アドルさんの生態
アドルさんの得意技は、タックル!。この独特な戦闘スタイルは、「ぶつかり稽古」のように見えるかもしれませんが、実は彼少々シャイボーイ。真正面からの攻撃では、照れくささから力を発揮できず、結果的にダメージを受けてしまいます。そこで、ちょっとしたコツ、「半身ずれ」での攻撃が彼の勝利の鍵となります。
そして、アドルさんはどうやらかなりのモテ男。その魅力は、行く先々で女性たちの心を射止め、今作ではなんと女神さままでその魅力の虜に。
優しさが行方不明
今作には「今、RPGは優しさの時代へ。」というキャッチコピーが付けられていますが、果たしてその優しさはどこにあるのでしょうか?難易度は高く、レベルを上げても油断大敵。一瞬の隙を突かれてゲームオーバーなんて日常茶飯事。これが優しさ…?もしかして、優しさは探し出すもの…?
異色の変更点
PC88版を知る人々からは、「これは何の冗談だ?」という声が漏れ聞こえてきます。ファミコン版『イース』は、一部BGMの変更、奇妙なギミックの追加、そしてラスボスの偽物との戦い…エンディングで一度村に戻る、という独自の解釈で、「コレジャナイ感」を全面に押し出しています。
しかし、ファミコン版だけを知る人々にとっては、これが「イース」。この作品の独自性こそが魅力なのです。町の人々の怖い顔、プレイヤーを困惑させるギミック、そして予期せぬ難易度の高さ。これらすべてが、ファミコン版『イース』の「特別な味付け」となっています。
エピローグ: 未完の物語
物語は2に続きます。つまり、我々のアドルさんの冒険はまだ終わらない。ファミコン版イースでのこの「異色」な体験は、彼の長い冒険の中の一ページに過ぎません。しかし、この一ページが我々に多くの笑いと、少しだけの困惑を提供してくれたことは間違いありません。
皆さん、アドル・クリスティンの次なる冒険も、どうか温かい目で見守っていてくださいね。きっと、彼はこれからも我々を驚かせ、楽しませてくれるでしょう。
最後に・・・やっぱり顔怖くない?
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