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ファミコンソフトレビュー ファイナルファンタジー

1987年
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ファイナルファンタジー 【スクウェア】

発売日1987年12月18日
価格5900円
メーカースクウェア[現スクウェア・エニックス]
データー容量2メガビット+64キロRAM
売上本数52万本
ジャンルロールプレイングゲーム

1987年、ビデオゲームの世界に新たな伝説が誕生しました。その名は「ファイナルファンタジー」。当時、RPGと言えば「ドラゴンクエスト」が主流でしたが、ファイナルファンタジーは異なる方向性を打ち出し、RPGジャンルに新たな息吹をもたらしました。本作はグラフィックの美しさとドラマチックな物語で、プレイヤーを魅了しました。さらに、特徴的なジョブシステム、魔法の購入システム、そして戦闘のサイドビュー表示が新しいRPGのひな型を作り上げたのです。

ジョブシステムの導入

プレイヤーは冒険の始めに、戦士、モンク、シーフ、黒魔術師、白魔術師、赤魔術師の中から4人のキャラクターのジョブを選択します。この選択は非常に重要で、ゲームの難易度に大きく影響します。例えば、魔法職のキャラクターばかりを選ぶと、ゲームを進める上でかなりの苦労を強いられることでしょう。バランスの良いパーティーを組むためには、攻撃職と魔法職を適切に組み合わせることが推奨されます。

物語の後半になると、「クラスチェンジ」を通じて、キャラクターはそれぞれの上位のジョブへと進化することができます。この変化は、新たな武器や魔法の使用が可能になるだけでなく、キャラクターのグラフィックにも顕著な変化をもたらします。ファミコン版ではキャラクターの頭身が上がり、子供から大人へと成長したかのような姿に変わります。

  • 戦士 ⇒ ナイト: 戦士はクラスチェンジを経てナイトになると、一部の白魔法を習得できるようになります。
  • シーフ ⇒ 忍者: クラスチェンジ後の忍者は、装備が大幅に増え、一部の黒魔法を使うことが可能になります。
  • モンク ⇒ スーパーモンク: 肉弾戦の専門家であるモンクは、クラスチェンジをすることで物理攻撃の命中回数が倍になり、全ジョブ中最も強力な攻撃力を手に入れます。
  • 赤魔術士 ⇒ 赤魔道士: ある程度の白魔法と黒魔法の両方を扱え、武器攻撃もこなせます。
  • 白魔術師 ⇒ 白魔道士: 白魔法を専門とし、回復魔法やステータス異常の治療に長けています。
  • 黒魔術師 ⇒ 黒魔道士: 黒魔法を使用し、敵の弱点を突くことで大ダメージを与えることができます。

戦闘システム

戦闘画面では、主人公たちが画面の右側に縦に並び、左側には敵モンスターが表示されます。

このサイドビュー方式は、ファイナルファンタジーVIまで続くシリーズの特徴となります。しかし、今作での戦闘は敵の数が多い上にテンポが遅く、攻撃対象の敵を倒すと、次のキャラクターの攻撃がキャンセルされるため、ターゲットをしっかり振り分ける必要があります。

魔法システム

本作では、魔法はレベルアップではなく、町の魔法屋で購入することで覚えることができます。魔法は1から8までのレベルに分かれており、キャラクターはレベルごとに3つまで魔法を覚えることができます。魔法の使用回数はキャラクターのレベルアップとともに増えていきますが、高レベルの魔法を早期に購入しても、使用回数がゼロでは使うことができません。

セーブ機能の導入

ファイナルファンタジーは、バッテリーバックアップによるセーブ機能を導入しています。

ファミコン版では、1本のカセットにつき1つのセーブデータしか記録できませんでした。

感想

ファイナルファンタジーの名を世界に知らしめた第一作目、その始まりは、典型的な「王女を救出する」冒険からスタートしますが、ファイナルファンタジーIの魅力は、このシンプルなスタートから想像を超える冒険が展開されることにあります。

最初のダンジョンでボスを倒し、あっさりと王女を救出できる点は、当時としては斬新な展開でした。救出後、橋を渡る瞬間に流れるファイナルファンタジーのメインテーマと共に、オープニングが始まります。この瞬間は、忘れがたい感動的なシーンとなっています。

特に印象的なのは、物語の初期に登場するボスが、物語の終盤で再び登場し、プレイヤーを驚かせる点です。このような展開は、ファイナルファンタジーがドラゴンクエストとは一線を画す、独自の世界観とストーリーを持っていることを示しています。

確かに、戦闘のテンポの悪さやレベルアップの難易度、次に進むべき場所が分かりにくいという点は、現代のゲームに慣れたプレイヤーにとってはストレスかもしれません。しかし、これらの「不親切さ」もまた、ファイナルファンタジーIが持つ独特の魅力と言えるでしょう。

ファイナルファンタジーシリーズの原点にして、伝説の始まり時を超えても色褪せない魅力的な作品です。

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