ファミコンソフトレビュー　がんばれゴエモン! からくり道中　

がんばれゴエモン! からくり道中　【コナミ】

今回紹介する「がんばれゴエモン！からくり道中」は、江戸時代を舞台にしたファミコンのアクションアドベンチャーゲームです。

コナミの看板作品として数多くのゲーマーに愛され続けている『がんばれゴエモン』シリーズ。その原点となる初代作品について、その魅力とともにいくつかの不満点も含めて振り返りたいと思います。

あらすじ

その昔、大平の世を良いことに、全国各地の大名は、庶民の暮らしを顧みず、したい放題私腹を肥やしておりました。

 そんな御時世、噂の義賊ゴエモンが盗んだ小判を貧しい人に与えながら、諸国大名をこらしめる旅に出たのでございます。

しかし、お上の追っ手は厳しく、城への道中は容易なことではございません。 
はてさて、この物語の結末はいかに相成りますことやら。

ゲームシステム

ゲームは全8カ国（肥後国、出雲国、備前国、摂津国、近江国、尾張国信濃国、江戸）各国13ステージ合計104面からなり、各国を巡りながら様々なステージに挑戦します。

このゲームでは、ステージをクリアするために、関所を通過しなければなりませんが、そのためには通行手形を集める必要があります。この手形は、地下通路や3D迷路のような場所に落ちているものを拾ったり、ゲーム内の店で売られている「闇手形」を購入することで手に入れることができます。プレイヤーはこれらの手形を3つ集め、それから関所に到達しなければなりません。

ゲームの魅力

• 和風情緒溢れる世界観: 初代『がんばれゴエモン』は、和風情緒あふれる世界観を舞台に、義賊ゴエモンが悪徳大名を討つために日本各地を旅する物語です。この独特の設定は、ゲームの大きな魅力の一つとなっています。
• 独特な操作性：今作は、横スクロールアクションゲームの枠を超え、縦横無尽に動き回り、ジャンプする自由度を持っています。この奥行きと自由度は、正確な操作を要求し、特に山面や海面では繊細な十字キー操作が必須です。
• 豊富なステージ: ゲームは全8カ国（肥後国、出雲国、備前国、摂津国、近江国、尾張国、信濃国、江戸）各国13ステージ合計104面。
• 高品質なグラフィックと音楽: 当時としては大容量の2メガビットROMを使用し、質の高いグラフィックと和風情緒溢れるBGMが多くのプレイヤーを魅了しました。特に、和楽器を意識した音楽はシリーズの象徴ともなっています。

ゲームの課題点

• セーブ機能の欠如: 104面もの大ボリュームにも関わらず、セーブ機能やパスワードが存在しないため、一度に全てクリアする必要がありました。
• 冗長な周回プレイ: 各周回で内容がほぼ同じステージを繰り返す設計は、特に後半になると作業感が強くなりがちでした。これは、ゲームのテンポを損ねる要因となっています。
• 難易度の高さ: 複雑なマップ構造やシビアなジャンプアクションなど、ゲームの難易度はかなり高めです。これは、一部のプレイヤーには魅力的であるものの、初心者には厳しい挑戦となります。
• ボスの不在：今作ではステージボスがおらずステージ間のメリハリに欠け、ラストステージの達成感も薄くなりがちです。

感想

久しぶりに「がんばれゴエモン」をプレイしてみましたが、改めて挑戦してみると、思い出以上に難易度の高さに驚かされました。

「がんばれゴエモン」の操作性は、横スクロールアクションとは異なり、縦横無尽にマップを駆け巡る自由度があります。しかし、この自由度が海のステージなどでのジャンプ操作の難しさにつながり、何度も落ちてしまう…そしてゲームオーバー、あるあるじゃないでしょうか。

ゲーム後半の３D迷宮探索は、まさに試練の連続。道を見失い、絶望を感じる瞬間もありますが、そんな中で13ステージをクリアした時の達成感は格別です。しかし、全104ステージを考えると、一周に2時間もかかり、セーブやパスワード機能がない中での完全クリアは、正直なところ非常に困難に思えます。僕自身、1周目を終えたところで、心折れました（笑）。

それでも、このゲームが放つ魅力は、質の高いグラフィック、和風情緒溢れるBGM、そして程よい難易度が絶妙で、30年以上経った今も色褪せることはありません。

「がんばれゴエモン」に再挑戦することで、子供の頃の楽しさを再確認するとともに、改めてその深さと難易度を実感しました。時には絶望感に襲われながらも、クリアした時の喜びは何物にも代えがたいものがあります。このゲームが持つ不朽の魅力を、皆さんもぜひ再発見してみてください。時を超えて愛される「がんばれゴエモン」の世界を、もう一度一緒に楽しみましょう。